[鑑賞散歩]鎌倉禅林の美「円覚寺の至宝」

美術館

円覚寺

江戸時代に円覚寺の復興に尽力された大用国師(誠拙周摴 せいせつしゅうちょ)200年、明治時代にやはり円覚寺の発展に寄与された釈宋演(しゃくそうえん)老師100年の大遠諱を記念して開催された展示です。
円覚寺と聞いて、どこ?と思う方もいらっしゃるかもしれません。瑞鹿山円覚寺は、鎌倉にあるお寺です。JR横須賀線北鎌倉駅の近くにあり、臨済宗円覚寺派大本山です。
私は行ったときは、平日の雨の日でした。人も少なくゆっくり仏像を鑑賞しました。

本尊は、華厳経の教主毘盧遮那仏(宝冠釈迦如来とも称される)です。毘盧遮那仏を本尊にしているお寺って少ないですよね。有名どころだと東大寺、唐招提寺。
それにしても、宝冠をつける毘盧遮那仏はこちらだけではないでしょうか。

仏像の技法

ほかに展示されている仏像を見ていて気になったのが、遊戯坐像と土紋という技法です。簡単にいうと、自由な座り方と落雁をつけたような立体模様。


遊戯坐像
「遊戯」という形式にとらわれない自由なという意味から、中国で宋代移行に流行した片足を屈し、反対の足を下して坐る像をいいます。そのバリエーションとして、片手を地について体を支え、あるいは片方の足を立膝とするものが多いですよ。

土紋
木像の着衣の表面に紋様を型で抜いた塑土を貼付して、その上に彩色や金泥を塗って立体感を表す独特の技法です。宋代の菩薩像に作例が知られています。日本では、鎌倉地方に限定して見られ、鎌倉~南北朝時代の地蔵菩薩坐像(伝宋庵)、観音菩薩立像(東慶寺)にこの技法が見られます。

鎌倉の仏像といえば、鎌倉の大仏と長谷観音が有名ですが、ほかにも魅力的な仏像がありますね。

三井記念美術館
円覚寺の至宝
2019年4月20日(土)〜6月23日(日)

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