国の宝 未来の財産

休憩

美術館や博物館に行くと目にする国宝と重要文化財・・・
どのようなものかを紹介していきます!

国宝と重要文化財

現在はどのくらいの国宝、重要文化財が存在するのでしょうか。
令和2年11月1日現在
美術工芸品の国宝は897件、重要文化財は10,808件です。

国宝のほうが上で、重要文化財のほうが下なイメージがあるかもしれません。
しかし、実は国宝は重要文化財の一部!
国が指定する重要文化財の中で、特に造形が優れているものや、歴史的価値が高いと判断されたものが国宝となっています。

少しややこしいのですが、現在の「国宝」制度は、1950年(昭和25)年に制定された文化財保護法の前と後では大きく意味が違っています。

■文化財保護法以前
・1896年5月
内務省に古社寺保存会が設置

・1897年6月
古社寺保存法が公布
→国宝という言葉がはじめて使用され、重要文化財のすべてが国宝と呼ばれている。
(現在、お寺によっては旧国宝との記載があるが、現行法では重要文化財)

■文化財保護法
・1950年
文化財保護法が制定
有形文化財に関する部分は、おおむね古社寺保存法を継承。

「国宝」
国が指定した有形文化財のうち、世界文化の見地から価値の高いものでたぐいない国民の宝たるもの

第4条
「社寺ノ歴史ノ証徴又ハ美術ノ模範トナクヘキモノ」を、「特別保護建造物」または「国宝」に定めるとある。

前者:寺院の堂塔など
後者:仏像など

指定されれば、国の保護対象となります。
そして、保護対象になった場合、国が保存費用の一部を負担する代わりに、国宝の指定品を博物館に出品する義務が課せられました。
あるいは、内務大臣の監督のもと、神職や住職が、特別保護建造物や国宝を保守する役目も担うことになりました。
こうして、社寺の宝物のうち特に価値のあるモノたちは、同時に「国」の「宝」となっていったのです。

文化財の審査、国宝へ

では、文化財の審査、そして国宝指定はどのように進められているのでしょうか。
流れは以下の通りです。

文化庁の調査官がリスト作成

文部科学大臣が文化財審議会に意見

各分野の専門家が調査、一人でも反対がされば国宝に指定されない

文化財審議会から文部科学大臣に答申、大臣が承認

国宝に!!

■文化財保護法以後、現在
国宝指定は毎年増えています。
毎年、東京国立博物館では「新指定 国宝・重要文化財」を4月~5月頃に展示しています。次回はどのような作品が見られるのかな♪
チケット、一般620(団体520)円/大学生410(310)円で見られますので、ぜひ見に行ってくださいね!
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/yukei_bijutsukogei/shinshitei/index.html

参考ページと参考図書

 ・文化庁
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/index.html

 
○日本の国宝を検索するには
・国宝重要文化財データベース
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/index

 ・e国宝 国立博物館所蔵 国宝・重要文化財
http://www.emuseum.jp/

 

○関連書籍
・月刊 文化財
https://www.daiichihoki.co.jp/store/products/detail/100412.html

 ・週刊 ニッポンの国宝100』
https://www.shogakukan.co.jp/pr/kokuhou100/whats.html

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