[トーク]丸の内で奈良 薬師寺を想う

トーク

 

移住したいくらい、奈良が好き。
そんな奈良好きの気持ちを携えてセミナーに参加してきた。

丸の内キャリア塾スペシャルセミナー
丸キャリTravel×JR東海
奈良を知る。日本を知る。

日時:2020年12月2日 19:00~21:00
会場:日経ホール
主催:日本経済新聞社イベント、企画ユニット
協賛:JR東海

プログラム
・第1部 19:00~20:00
「薬師寺で楽しむ、はじめての仏教美術」
小野佳代氏(東海学園大学教授)

・第2部 20:15~21:00
「仏像大使、薬師寺を語る」
みうらじゅん氏(イラストレーターなど)
いとうせいこう氏(作家・クリエイター)

奈良の中でも、とくに薬師寺に注目した内容だった。
小野さんの話では、薬師寺の由緒と仏教美術(国宝)、そして金堂の薬師三尊像をめぐる3つの視点の紹介。みうらさんといとうさんの話では、薬師寺を訪れた話を中心に、自信の薬師寺との思い出や仏足石の話。

すべてを紹介することはできないので、話の中で気になった「模様」についてまとめる。
何の模様かというと、主に2つの模様である。
①金堂 薬師三尊像の台座
②仏足石

金堂 薬師三尊像の台座


金堂 薬師三尊像(国宝)/白鳳時代
三尊とは
・薬師如来坐像
・日光菩薩立像
・月光菩薩立像

その像が乗っている台座には国際色豊かな模様が見られる、という話があった。
シルクロードを通って日本にもたらされた文様たちが見られる。

・葡萄唐草文→ギリシャに由来
・宝華文(蓮華文)→ペルシャに由来
・異形像(鬼神・夜叉?)→インドに由来
・四神→中国に由来

とくに興味深いのが四神で、中国の道教・五行思想にもとづく四方を守る霊獣。
北・玄武/東・青竜/西・白虎/南・朱雀
これらが薬師如来を守護しているのかもしれない、という説がある。

大講堂にある仏足石


仏足石(国宝)/天平勝宝5年(753)

仏足石とは、お釈迦様の足跡を彫った石のこと。
薬師寺の仏足石は現存する最古の仏足跡。

お釈迦様の滅後から紀元100年頃まではお釈迦様の像(=仏像)が作られることは恐れ多いこととされており、お釈迦さまのモチーフを描いていました。そのひとつが仏足石である。

薬師寺の仏足石に記されている書によると、唐の王玄索(おうげんさく)という人がインドから仏足跡を中国に持ち帰り、日本から入唐した黄書本実(きぶみのほんじつ)という人が日本に転写して持ち帰り、その仏足跡をもとに作ったものがこの仏足石だという。

普通、人間の足の裏には何も描かれていないが、仏足石には貝殻や魚などの図柄が並んでいる。
この面白い相のことは、これから論文で調べてみたい、興味深い。

薬師寺のデザイン

模様という共通点から、気になる薬師三尊像の台座と仏足石に触れた。
薬師寺は東塔(国宝)が「凍れる音楽」と呼ばれているような屋根がたくさんあるように見えるデザイン性に富んだものであったり、台座に国際色豊かな絵が盛り込まれていたりとお洒落である。
仏教美術、というと西洋美術と比べて地味なイメージがあるかもしれないが、実は美しい模様が隠れている。ただ有名なお寺だから観光で行ってきた、ではなく、細かい模様、デザインまでも楽しめるといいのかもしれない。

■薬師寺を知る、オススメ本

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