[鑑賞散歩]DOMANI・明日展

美術館

2020年美術はじめ。
例年だと東京国立博物館になるのですが、今年は国立新美術館に向かいました。

「DOMANI・明日2020 —傷ついた風景の向こうに—」
というタイトルの現代美術の展示です。

正直、現代美術は苦手ですが、1月11日(土)の初日は無料ということもあり、行ってきました。

■DOMANI・明日展

1998年から行われてきました。今年で22回目の開催です。
おお、過去には池田学さんも展示されていたのですね。21世紀美術館での展示良かったな・・・

今年は東京オリンピック・パラリンピックの年、国が展開する「日本博2020」のプログラムに参画する特別版だそうです。

■「傷ついた風景の向こうに/Landscapes in Our Age: Scarred and Reborn」
こちらが今回のテーマで、11人のグループ展でした。

入ってすぐには体の傷あとを写した写真たち。
展示の着想のきっかけとなった石内都さんの「傷跡」シリーズです。
そのあとも原爆が投下された場所や玉砕の地など、たしかに傷あとが残っているであろう場所の写真。

途中から昆虫写真家として知られる栗林慧さんの昆虫写真や佐藤雅晴さんの遺作≪福島尾行≫など「生」を感じさせる作品に移行していきました。

そして、日高理恵子さんや宮永愛子さんの自然をモチーフとした作品へ。
モノクロの画面に力強い枝。

金木犀の葉肉をとって、脱色、つなげた≪景色のはじまり≫

最後には再生に向かう風景ということで、畠中直哉さんの作品が展示されていました。

アーティストトーク 宮永愛子×港千尋

後日、2月9日(日)再訪。

宮永愛子さんと港千尋さん(写真家、著述家、多摩美術大学教授)のアーティストトークを聞きに行ってきました。

宮永さんの作品といえば、ナフタリンの結晶を用いたインスタレーション。ナフタリンは防虫剤の親戚みたいなものらしいです。またインスタレーションとは空間をどういう風に捉えているのか、空間全体の展示です。

宮永さんのお話で印象的だったのは「世界は変わりながらあり続けていく」「作品を完成へと繋いでいくことは今日と明日を繋ぐ大切な日常なのだ」という2つのメッセージでした。

①「世界は変わりながらあり続けていく」

宮永さんの作品は弱さや儚さと表現されることがあるが、変われる柔軟さやしなやかさを打ち出したいそう。見方の違いで違ったものに見えていくこと、ありますよね。

②「作品を完成へと繋いでいくことは今日と明日を繋ぐ大切な日常なのだ」

震災後にギャラリーが再開した際、プレスリリースとして送った文章の一部。震災後に人生を改めて考える時間があり、自分たちが何をしたらいいかわからないとき、作家さんにできることが作品づくりであり、それは日常なのでしょう。ここから「景色のはじまり」というタイトルにつながります。

 

DOMANI・明日2020
2020年1月11日(土) – 2月16日(日) 10:00 – 18:00
毎週金曜日・土曜日は20;00まで(入場は閉館の30分前まで)
休館日 | 毎週火曜日
国立新美術館 企画展示室2E

コメント

タイトルとURLをコピーしました