身近な家具、いつも腰掛けている椅子。
それが愛らしく愛着のあるものであれば、幸福度が上がりそう。

SNSの画像を見て、気になったので行ってきました。どんな椅子を想像しますか?
看板はこちら

これは猿かな?そう、可愛い動物の椅子がたくさん並んでいました。
椅子は長老やシャーマンが占有しているもので、社会的な区分を示すシンボル。シャーマンは、精霊からのメッセージを媒介する際に椅子に腰掛けるそうです。

動物だけでなく、シンプルな幾何文様も味わい深い。このような椅子の文様は人びとのボディペインティングにも用いられる。
展示では、動物を模した椅子がほとんどで、まるで動物園。その愛らしい見た目は、子供にも受けが良さそうですね。




上から、カメ、エイ、カエル、コウモリ



これらはジャガー。作者の個性が光る。
今でも木を斧で切り出し、持ち運びやすい大きさにして運び、いずれも手作業で作られている木彫芸術品。美術学校などを出ているわけではなく、親や兄弟の手伝いをして学ぶ。そうして磨かれた技術でつくられた椅子は、生活必需品を購入する収入源。
形としても魅力的だが、その裏にある受け継がれた伝統や、アイデンティティがより作品を輝かせています。
動物は大自然の主。木は遠く離れた場所の木を選んで伐採。自然を大切にし、動物を尊重しながら生きてきたブラジル先住民の人たちの思いが、椅子に表れているようです。


展示の最後に触れるバク?がいたので、なでなで。
愛らしい動物たちの形に癒され、大自然を想像して癒された展示でした。
埼玉県近代美術館
ブラジル先住民の椅子
2019年4月6日(土)〜5月19日(日)
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