[鑑賞散歩]マリアノ・フォルチュニ 織りなすデザイン展

美術館

さまざまな分野で才能を発揮したマリアノ・フォルチュニ(1871-1949)の生み出した優美な作品たち。

マリアノ・フォルチュニとは

1871年にスペイン南部のグラナダで、画家の父と名門芸術家の家系の母との間に生まれました。なんと祖父はプラド美術館の館長を務めていたそうです。エリート芸術家の家系なのですね!

1歳のときに父のアトリエがあるローマに、3歳で父が急死したあとに母や姉とともにパリに移り住みました。そして10歳には画家に弟子入り、17歳でヴェネツィアに引っ越したあとも制作を続けました。

画家に弟子入りしたため絵を描くことを生業にするかと思いきや、19歳でオペラの場面の制作をはじめます。

画家のほかに版画家、舞台照明家、舞台芸術家、舞台美術家、舞台衣装のデザイナー、テキスタイル・デザイナー、写真家、染色技術の発明家などで多彩に活躍しました。

代表的な作品「デルフォス」

絹サテンの光沢、流れるようなプリーツが印象的なドレスです。

1896年に発掘されたブロンズ像≪デルフォイの御者≫(デルフィ考古学博物館)をもとに、全身にプリーツを施したデザインを1907年に発表しました。

 

日本のデザインとフォルチュニ

先ほど紹介したように芸術一家に生まれたフォルチュニ。その家には、両親が蒐集した幅広い品々があり、日本の美術品や工芸品もコレクションされていました。
染め型紙やきもの、甲冑、能面、絵画など。父の絵には、日本の屏風や扇子らしきものも描かれています。
またフォルチュニは日本文化、芸術についての書籍を多数所有していました。染織についての書籍に載っている模様をテキスタイルに応用していったのです。
葵や牡丹、七宝、案山子などのテキスタイルが展示されていました。

さまざまな分野で活躍したフォルチュニ。
何かを捨てて何かを選ばなきゃいけないことってあると思います。
でも好きなことはとにかく何でもやってみる! 気になったことは挑戦してみる! という姿勢も大事にしなきゃいけませんね。

三菱一号館美術
マリアノ・フォルチュニ 織りなすデザイン展
2019年7月6日(土)〜10月6日(日)

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